親の声を頂いて(2

 

 そうこうお話をしておりますうちに、ご主人の親が1通のハガキを持ってまいりまして、「先生、こんなハガキが教会から届いているんです」と言って、私はそのハガキを見せていただきました。

そのハガキは、ちょうど二日ほど前にお教会からいただいたそうで、

神様は、今度役員が行く。よくねりあって、たすかる道を教えてもらいなさいというて、私が帰った後にハガキが来ても仕方がないね、それがちょうど伺う二日ほど前に届いておりました。

その文面は、「この度、お教会で、5日勤めを皆さんにお願いしたいと思います。ついては、あなたは元々のお商売は自由業で、木こりさんですね。半年、お仕事ができません(半年で一年間の暮らしを立てていくという)もしお受けできることであったら、保安係をお願いしたいと思います」

さらに、もう決まったようにですね、「お受けできるようでしたら、来月の何日から何日をまずはじめにお勤めいただきたい」という、お教会からのハガキでございました。

 

ああ、これがたすけの神様ですよ。

神様が、前もってたすかる道をちゃんと教えてくださった。

初代の会長様は、「人間のことと神様のことがかち合ったときには、迷わず人間のことを後に回して、まずもって神様の御用をさせてもらいなさい。それが、お道を通る者のたすかっていく道だよ。ただ助かる神さんは、どこいってもないよ。あるなら僕にも教えておくれ」ということを、よくおっしゃいました。

「どうですか?お受けになっていただけますか?」

「先生、実はね、うちは木こりですから半年はあそびになります。只今の信仰では、一年に三〜四回しかお教会に運べないんです。それ以上はとても無理です」とおっしゃるんですね。

5日勤めをお受けすると45日に5日間、都合が良かろうが悪かろうが、教会で決められた日に行かせていただく。

いやその日は都合が悪いから別の日にというわけにはまいりません。

 

「たいへん難しいことですが、大丈夫ですよ。神様ありますよ。どうかひとつ素直にお受けになってください。そして、このお子さんのご守護をいただきましょう。ただ寝ぼけるだけではありませんよ。このお子さんは、18〜20歳頃になると家出をしますよ。家出をされてから、えらいこっちゃ、どうしたらよかろう、こうしたらよかろうと思っても、もう間に合いません」

今、寝ぼけるぐらいのときに、ひとつそうなったときのことを思案させていただいて、今からたすかる道を通ることを、初代の会長様はいつも私たちに教えてくださいました。

「ですからね、神様があります。あなた方が名古屋へ遊びに行くんじゃない。遊びに行くんじゃない。因縁切りのために行かしていただくんですから、二度や三度はご苦労があると思いますが、そのうちに神様が、ああやる気ならたすけてあげようといって、心配しないでお教会に運べるような順序を神様がとってくださるはずですから、安心してお受けになってください」

そうして、だんだんとお話をさせていただくなかに、気がついたら夜がしらしらと明ける頃でございました。

皆さん方もお受けになってくださいまして、子どもさんの前生に代わって、恨みを残して亡くなっていってるお詫びをして、これからそのお詫びのしるしとして、お教会から仰せいただいた5日勤めの保安係を、主人が子どものために代わって5日間、45日に5日間を勤めさせていただきますから、なにぶんのご守護をいただきたいという、お願いをさせていただいたのでございます。

 

お願いの後、私は、「今晩から寝ぼけませんよ。神様がはたらいてくださいますよ。皆さん、安心してお休みください」こう申し上げまして、ああもうこんな時間になりましたね、先生お休みくださいと言われまして、じゃあ、ちょっと、明日はここから新潟の方へ回るわけですから「失礼いたします」と言って、横になりましたけれども、眠れない。

大丈夫かな。神様会長様があるといっても、大丈夫かなあ…。私の願いを、神様と初代の会長様は聞いてくださっただろうか…聞いてくださるに違いない…という不安な気持ちで、眠ることができませんでした。

 

そして、朝、うとうとーっとしたら、家族の方に、「先生、先生」と起こされました。

目が覚めましたが、ご家内に、どうでした?昨日は大丈夫ですか?と、怖くて尋ねられない。

向こうが何かおっしゃるまで、私は何にも言わなかった。

向こうさんから、「先生、ありがとうございました。昨日は初めて子どもが寝ぼけて外へ出ることがございませんでした。熟睡をすることができました」と言って、お礼を言われました。

「ああ良かったですねえ」

 

当時は、巡教に出ますと月の半分は帰れませんでしたので、私は、お暇(いとま)をするときに、ご主人に、「お教会でお会いすることになります。良いお話を聞かしていただくのを楽しみにまいります。またお会いいたしましょう」と言って、新潟に発たせていただいた。

 

そうして、教会へ戻ってまいりましたら、お教会の廊下でバッタリご主人に会った。

「ありがとうございました。なんとか工面をして、運ばせていただくことができました。先生、あれ以来、子どもがもう寝ぼけません。ありがたいことでございます」と言ってですねえ、喜んでくださいました。

不思議なことでございますけれども、やはり親の声をいただいて、迷わず親の声に添って、理を説かしていただいたところに、初代の会長様のお徳に神様がはたらいてくださったと思います。

まあそれ以来、「どうですか?いかがですか?」とお尋ねをすると、「ああ大丈夫です。元気でおります」という声を、いつも聞かせていただいておりました。

 

(3)に続く

 

 

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