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  因縁の自覚(前編)

 

今ね、おたすけをさせていただいている方がいます。

その方は、お商売をやってて、お商売の元手を信用組合から借りました。借りるということは、信用組合のほうでも採算が取れると思って貸してくれる、自分のほうもそろばん上では借金をはらっていけると思って借りるんですね。ただ、お商売を始めさせていただいたんですけど、うまくいかない。

初代の会長様は「“商売”といってね、今日1つの品物は、明日は2つに、明後日は4つになる。倍々と儲けさせてもらえるから“商売”という言葉ができたんだよ」と、こんなふうに教えてくださいました。このお道の信仰をさせていただいておりますと、そういう儲けがさせていただけるんだと。

ところがこの方はですね、借金をしなきゃならないという因縁をもっております。初代の会長様は「借金をする人はね、やっとやれやれ借金がなくなる頃だと思うと、確かにその借金はなくなるんですけど、お次がちゃんと待ってる。一代借金で苦労せんならんよ」とおっしゃった。じゃあ、借金せんならん因縁を消していただいて、儲けさせてもらうのにはどうしたらいいかというと「それには、例えば、100万の借金があるとすると、お道の信仰をしている者は、天に100万の天借があると思え」と会長様はおっしゃった。「人間は100万の借金があるで、はよ返さにゃいかん、はよ返さにゃいかんと、人間の借金だけを苦労しているからいけないんだよ」とおっしゃった。「人間に100万の借金があるということは、神様にも100万の借金があることを忘れてはいけないよ」と教えてくださいました。

そういたしますと、神様にも天借をお返ししていかんならん。人間のほうの借金も返していかんならんとすると、時には毎月2万円借金を返していた人なら、それを1万円ずつにしなさいと会長様はおっしゃった。そして、今月はこれですみませんといって、頭を低う低うして、お返しに行く。人間のほうに頭を下げて、半分を神様のお供えにさせていただく。そうすると、計算上では100万の借金が利息をそえて10年かかるところが、こういう方法をしていくと10年かからないものだよとおっしゃる。7年か8年で借金がきれいになる。「それだけじゃないよ、もう借金をしなきゃならないという因縁が切れていくんだよ」とおっしゃる。「しかし、これを社会の人は皆知らない、教えてあげてもなかなか守れない。だからいけないんだよ。聞かせてもらったら、守ることだ」と、こう言ってね、よく教えてくださいました。

そして、私は、ある方のおたすけにこの方法を使ってみました。

その人は女の人でした。沼津におりまして、初代の所長さんから道が入った先の娘さんでしたが、一旗あげて東京へ出て成功したいと思っていたようです。女がね、東京へ出て一旗あげたいというと、まあ水商売が手っ取り早いんですね。そして、柳ごうり1つ持って、東京へ出て、バーのホステスになって働いた。ところがやっぱり、部屋を借りる、着なきゃならない、食べなきゃならない、お風呂にもいかなきゃならんというとね、なかなか難しい。

そうした中でですね、ある会社の社長さんが大変目をかけてくれて、お客さんを連れては通ってくださった。そういう常連さんとなると、すぐその場では払わない。顔で飲んで、ツケは月末に先方へ取りに行くというかたちです。そして、これでね、ひっかかってしまった。そのお客さんの会社がね、倒産をしてしまったんです。ですけれども、バーのほうでは、もう月給から毎月月賦でその分を天引きですよ。私が訪ねていった時には、本当にお風呂にも入れない、お風呂に入るお金もないくらい困っちゃってる。天引きされちゃうから、わずかなお金を持って、電車に乗ってバスに乗って、ツケのお金を取りに行くわけだ。

東京の巡教になった時、どうしているかなと思って、時間を割いて訪ねていき、私が、今日はこういうところへ巡教に行くんだがというたら、私もちょうどその近くへ借金の取立てに行きますといって、今の話を聞きました。倒産した社長さんは、何度行っても、3日経つと入るんです、3日経って行くと、いや入るつもりでしたが遅れましたといって、嘘を言う。でもこっちはたとえ千円でもほしいから嘘と知りつつ、電車賃使って取りに行くけど、払ってくれない。今日もそこへ行くというお話でした。私は、「じゃあ、あなた、今日はそこへ行かなくてもいいよ。その代わり、私のお供をして、今日はおまつりに行きなさい」といって、会長様に教えていただいた話をその場でさせていただきました。そして、「あなた毎月その社長さんの分をいくら月給からひかれてるの?」「毎月3万円引かれてます」今から40年前の3万円というと大きいですよ。「そう、それじゃあね、その3万を払っていかなきゃならんけどね、お店のほうにわけを言うて、ちょっと嘘を言うてね、3万円の半分を払いなさい。そして、その半分は、神様のお供えにしなさい。ちょうど教会で普請が始まった。なんぼでも事情(お金)がお入用なの。ちょうど普請が始まったから、天借として、徳を積ませてもらいなさい」「分かりました」と言ってね、そういうことで話が決まった。「じゃあ社長さんのところには行かなくっていい。行ったって嘘を言われるに決まってる」と言って、信徒祭のお供をしてもらった。

不思議とそれから3ヶ月くらいの間、毎月東京の巡教に私がなった。ですから、まわっていっては、お供えをいただいて、お教会にお届けをしました。

そして、ちょうど三月(みつき)に入った時にうかがったら、とても不思議な話が舞い込んできた。その話というのは、違ったお客さんがやってきて、そのお客さんが他のお客さんを連れてきてくれたのはいいんだけども、それが酒乱でした。今、酒乱という言葉はなかなか聞きませんけどね、昔はよくあった。お酒を飲むと人が変わっちゃって、暴れだす。そうして、飲むほどに、お酒が回っていくと荒れだして、暴れだした。

ところが、どういう不思議なことがあったかというと、その娘さんの父親は酒乱だったの。子供が、5人も6人も年子でぞろぞろいるのに、大酒飲みで、飲むほどに酔って酒乱。そういうおたすけを初代の所長さんがさせていただいた。まあ晩年は、だんだんいい人になりましたけど、そういう中で、育ってきた娘さんだ。ですから、お道を聞くまでは、このくそ親父、はよ死んでくれたらいい。いっそこんな親父おいといて、母親と兄弟だけで逃げようか、そんな話もしたくらい、時には殺してやりたいくらい思ったと。でも、お道が入りましてね、ご家内も変わっていった。こういう夫を持たなきゃならないというのは、こういう夫を持たなきゃいけないという因縁が自分にある。娘さんもこういう親を持たなきゃならないということは、誰が悪いんじゃない、自分の因縁が悪い。悪いと言ったって消えませんから、消す道として、娘さんの時代からお道に入りました。

そして、この娘さんがその場でどうしたかというとね、上手にこの酒乱のお客さんを手なずけて、収まった。そりゃ恐ろしかったそうですよ。ビール瓶ぽーんと割って、こうギザギザになるでしょ。それを振りかざすんだから、みな男の人だって逃げて歩いた。人気商売だから、パトカー呼ぶわけにはいかなかった。それがうまいこと収まった。収まったら、猫のようにおとなしいのね。それで、連れてきた方も、申し訳なかったというて、お詫びして帰っていった。

そして、その方が、2、3日してまいりまして、「ちょっとあなたに、お話がしたい。ここではなんだから、いついつ、ひとつ来てください」というわけです。私は「あなたね、男と女の仲だから、間違いがあっちゃいけない。ですから、どういう話か分からないけれども、それはお宅へ行きなさい。お宅へ行って、ご家内も居るところで話を聞かせてもらいなさい。話を聞く前に、『実は私は天理教の信者で、名古屋にある愛町分教会という教会の信者でございます』とまず言いなさい。それから、どういう話か聞かせてもらいなさい」と言い、彼女は言われたとおりにしました。そうしたら、天理教の信者だと話したら、その社長さんはびっくりして、「実は僕の母親もね、教会は違うけどね、天理教の信者だ」ということになって、なんとなくお互いが意気投合しました。そして、「あんたが酒乱の男を上手に収めてくれて、本当に僕は助かった。ありがとう。そのお礼といっては何だけれども、実は僕はこういうもんです」って言って、その方は実業家、お店をたくさん持ってる方だった。バーをつくっては、雇われママを頼んできては店を持たせて、そういうお商売をしている人だった。そして、「実はこの度もあるところに店をつくっている。そこのママを実は今探しているところだ。あなたがいいと思うから、どうですか?ただし、儲けは折半。僕も商売だから儲けは折半。あなたはお客さんを連れてきなさい。私は店をこしらえて、設備をして、こういう形で始めたいと思います」といった。

まあ、振って沸いたようないい話だった。そういうところに勤める女の人は、いずれは、たとえ小さくても一国一城の女主人になりたい。これが夢なの。ですけれども、その夢が実現するっていうのは、100人に1人もいないのね。みんな脱落していっちゃうの、因縁に負けて。そういう本当に思いもつかない話だった。そして彼女は「ちょっと待ってください。大変いいお話ですけれども、相談をする人がありますから、その方に相談をして、お返事をいたします」と言い、それを聞いた私は「そりゃいいお話じゃないの。儲けは折半ということだから、半分いただいた中からまず神様に、あなたがいただいたお月給の1割は徳を積ませていただいてください。100万だったら10万だ、200万もらったら20万だ。いいですね。それが定まったら、お受けしなさい」と言った。そして、彼女の心が定まってね、お受けをさせていただいたわけです。で、私は、初代の会長様がお出かけになるわけにはまいりませんから、初代会長様のお写真を懐に入れて、その新しいお店にお供をさせていただきました。お店の中をこうやってずーっとね、「会長様どうぞ、会長様どうぞ」っていって、お写真を持って回って歩いた。「さあこれで、初代の会長様がお入り込みくださったんだから、あなた約束をかたく守って通ったら、絶対儲かるよ」「よそが暇でもあなたのとこは儲かるよ」こういうことでね、お店は始まりました。

(後半へ続く)

 

 

 

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