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お道のない社会の方が助けられたお話

 

 
このお話は、初代会長様が、昭和44年1月16日に、熱海のお別荘にお入り込みくださった時のお話でございます。

 


思い返してみれば、これが、初代会長様との今生のお別れになったのでございますが、愛町の理につながる理の子供たちは、誰一人として、永遠のお別れになる等とは、夢にだに思っておりませんでした。


しかしながら、後から思い返しますと、この時私は、虫の知らせというのでしょうか、「このたびはちょうどよい機会であるから、長い間、私の胸にしまっておりましたお話を、会長様にお伺いさせていただこう」と、心に決めておりまして、ある日、お伺いをするのにちょうどよい雰囲気になったのを見計らい、思い切って、会長様にそのお話についてお伺いをさせていただいたのでした。

 


そのお話とは、おたすけをさせていただいていたある信者さんから聞かせていただいたお話でした。
その方は、神様からご順序をいただかれて、修養科へ行かれ、そうして無事おぢばの理をいただき、卒業をさせていただいて戻ってまいったわけですが、その修養科中、修養科の短期講師の先生で、青森県の八戸市にある教会の会長様から、「愛町の関根豊松会長様は不思議な力を持たれたすばらしい方です」と言われ、初代会長様のお話を聞かせていただいたそうですが、そのお話が、なんとも不思議なおたすけのお話だったのです。

 

それは、初代会長様がまだお若い時分、麹町大教会にお勤めくださっていた時代のお話でございました。

私は、初代会長様のお傍においていただいて、数々のおたすけのお話を、会長様から聞かせていただいておりましたが、その修養科生から聞いた不思議なおたすけのお話については、ついぞ初代会長様のお口から伺ったことがございませんでしたので、折りがあったら、一度お伺いをさせていただきたいものだと思いつつも、今までその機会に恵まれませんでした。
しかし、繰り返しにはなりますが、その日は、今日こそはと思いまして、「会長様、お伺いをさせていただきます」と申し上げ、会長様に聞いていただいたのでした。

 


それは、ある日のこと、初代会長様が、大教会の青年さん一人をお供にされて、おたすけに出掛けられた際のお話でございます。

その日は、朝からてくてくとおたすけに歩かれ、気が付いた時は、もうお昼の時間もとうに過ぎておりました。
会長様お一人であれば、そのような所にお立ち寄りにはなりませんが、お供をしてくださっているその青年さんがお腹をすかせているだろうと思われたのでございましょう。

辺りをふっと見ますと、目の前に、とある小さなお寿司屋さんの看板をご覧になりまして、会長様は、そのお店に入られたそうでございます。

お店に入りますと、中には、ご主人が一人おりました。

しかし、何となく活気のないお店だったそうです。
一時の腹ふさぎにお寿司を注文して、いただいて帰ります時に、お供の青年さんがお勘定をお支払いをしながら、「あのお方は、天理教の先生で、不思議な力を持たれた方ですよ。その方が、このお店にお入りになったということは、このお店はこれから繁盛いたしますよ」と店の主人にお話をし、ごちそうさんでしたと言うて、お店を出られたそうでございます。

ところが、後から聞かせていただきますと、そのお店は、お商売がうまくゆかないために、まもなく店仕舞いをするところだったそうです。
そのお店に初代会長様がお入りになられたということは、神様がこのお店を助けたいとして入れてくださったのでしょうか。
後になってから分かってくることでございますが、それから三日ほど経ちまして、今日はいよいよ最後の店仕舞いの日となりました。

その日は、ご主人ではなく、女将さんが、無けなしのお金をお財布に入れて、始発の都電(路面電車)に乗り、魚河岸へお寿司のネタを仕入れに出掛けたそうでございます。

 

早朝でございますから、電車の中には、女将さんの他には男のお客さんが一人だけ乗っていただけでした。
そして、電車が「警視庁前」という電停(停留所・駅)に差し掛かろうとした時、女将さんがふと気が付きましたら、反対側の隅に乗っていたはず男が、女将さんの隣に座って、新聞を大きく広げて読んでいるふりをしていたそうです。
何やら虫の知らせというのか、その男が買い出しのカゴの中に手を入れ、虎の子のお金が入った財布に手をかけているのに気が付きまして、女将さんは思わず大声で「泥棒!!泥棒!!」と叫んだそうです。


当時、電車のドアは手動ですから、その泥棒はびっくりして、ドアを開け、ホームに飛び降りると、一目散に逃げ出しました。
女将さんも、逃がしてなるものかと、転がるようにホームに飛び降りまして、それはもう命懸けで大声を上げ、「泥棒〜!泥棒〜!」と連呼しながら、男の後を追い掛けたのです。

しかし、男も、飛び降りた場所がいけません。「警視庁前」です。
まだ夜も明けやらぬしじまの中に、「泥棒〜!泥棒〜!」という声はこだまして、そのうちに「どうした?!どうした?!」と、非番のお巡りさんが出てまいりまして、泥棒を追いかけてくれました。


男は、切羽詰まって、ざんぶりと目の前のお掘の中に飛び込んでしまいましたが、駆け付けたお巡りさんが小船を出しまして、ついに泥棒は現行犯でお縄になり、女将さんは盗られた虎の子のお財布を返してもらうことができたのでした。

 


さて、それから女将さんが、魚河岸でお寿司のネタを買い整え、思わぬことで遅くなってしまったことを気にしながらお店に戻ってまいりますと、どうしたことか、お店の前には大変な人だかりができておりまして、集まっていた人の中から、「女将さんが帰ってきた!」と言うて、カメラのシャッターを切る人、取材を求める人で、しばらくは、お店の前が大変な人でごった返したそうです。

そうして、このニュースが、その日の夕刊に『肝っ玉女将さんの大捕物』という見出しで、大きく新聞に報道されたのです。


さあ、それからというものは、物見高いが何とやらということで、毎日毎日、そのお店には、女将さんの武勇伝を聞こうではないかというお客さんが、引きもきらず押しかけてまいりまして、お店は生まれ変わったように活気を取り戻し、潰れるところが潰れないで、反対に結構に繁盛をさせていただいたという不思議なおたすけのお話でございました。


そのお話を私がさせていただいている間、初代会長様は、終始ニコニコとなさって、申し上げるお話を聞いてくださいました。
そうして最後に、「だいぶ昔のお話だから、僕は忘れてしまったことが多いが、そんなことがあったかも知れないね。あるいは、なかったかも知れない。いや、あったかも知れないよ」と、お言葉をくださいました。
「遠い昔あったことだから、僕は忘れてしまっているけれども、見ていてくださった方が、見た通りまた聞いた通りを話をして聞かせてくださるのだから、作り話ではないだろう。僕はね、皆さんが助かった助かったというて、お礼をいうてくれるけれども、実のところ、どうして助かってゆくのか、僕自身でも分からないのだよ」と仰せになられたのでした。


今、当時のことを思い出させていただいて克明に甦ってまいりますことを、誠に懐かしく、いい時にお耳に入れさせていただいて良かった、きっと初代会長様もお喜びいただけたと、私は今もそのように思わせていただいております。

 


このように、初代会長様は、お道の方ばかりではありません、道のない社会の方でも、困っている人を見ると助けられたのでございます。
誠に不思議なお力を持たれたお方でいらっしゃいました。

 

 

 

 

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